実務的な現状を踏まえた意見の記事を見つけたので、ご紹介します。
とてもストレートな意見の記事ですね。
”想定外の安値でも結論を先延ばしにするよりまし”
という考え方は不動産屋からすると、地方の人口減少地では当たり前になっている考え方です。
”延ばせば延ばす程損失が増えていく”というのは至極当たり前のことですが、第3者的な目で考えるとわかる理屈が、自分に置き換えると中々踏み切れない方が多いのも実情です。
他人の事だと損な事だと分かるのに、自分の事となるとそれが見えなくなってしまう・・・というよりは、欲が出て「自分の不動産は高く売りたい」「自分の不動産は他の物件より条件がいい」となってしまうんですね。
それはほとんどの場合、間違った認識なのですが、人間の心理の奥の欲望というのは厄介なものなのです。
そしてそれを助長する不動産屋が存在するのも確かです。
この記事を読んで頂いたあなたには、”他人のふり見て我がふり直せ”ではないですが、失敗しない為に参考にして頂きたいと思います。
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早く売る事を得だと理解できない人の例
前述の記事を読んで、先般に起こった出来事を思い出しました。その方は正に”理解できない人”になってしまっていました。
状況として、
という事があげられます。
この部分だけを取って話をすると、「 」「 」という答えにすぐになるのですが、売主さんはそのことには乗ってきません。
第3者がこの話を聞くと、坪8万円の話が勿体なく思います。
しかし売主さんの心理は違うのです。
- 数年前の当初の金額が頭にこびり付いている・・・価格が下がったとしても坪10万円くらいはするはず
- 先に支払った工事代金が多大な為、少しでも多く回収したい
- 今まで売れなかったのだから、わざわざ急いで安くする必要は無い
- 周辺の売買事例の物件よりも、自分の物件の方が手をかけている分条件がいい
といった心理状態になってしまっているのです。
これってある種のマインドコントロールみたいなもんですよね。
無責任な不動産屋が言った数字がインプットされ、売却については無責任に放置される。
解体費用や造成費用についても、えらく高かった(ハネられているから余計に高い)という認識はあるが、それを回収しなければいけないという心理が生まれ、値段を下げるという発想になれないのです。
ここに挙げた心理状態は、全て正解とは真反対の不正解の心理状態です。
実際には
- 時間が経てば経つほど、価格は下がる=損失は増えるので、当初の価格は参考外になります。
- 先に工事代金を払ったのは売る為なので、売れなければ回収できない。つまり時間が経過すればするほど、回収の見込みが減るのです。
- 今まで売れないものが、同じ価格で売れるわけがない。急がないと駄目です。
- 周辺の物件より条件がいいと思うのは、”自分の子供が他所の子に比べて可愛い”と思う親心と同じで、他人から見ると大きな差はありません。
実際に自分の物件が売れず、他の物件が売れるのはほかに理由があるからです。
正に不動産屋の言葉によるマインドコントロールと言えますね。
そこまで意識してインプットしたかどうかはわかりませんが、不動産屋が放った言葉や数字が刷り込まれるのは良くあることです。
第3者から見れば、完全に不動産屋にやられっぱなしのお話なのですが、「売れるか売れないかは市場の判断です」みたいなことで、不動産屋は責任から逃れます。
つまり売れないのは”不動産屋が悪いのではなく、市場が悪い”と責任転嫁するわけですね。
というか、そもそも不動産屋には責任が無く、個人が不動産屋の意見を元に個人の判断でやった事なので、すべての責任は売主にあるというのが正しい解釈なので、無責任な不動産屋と言われれば、厳密にいうと違うのかもしれません。
そこにはモラルの問題であったり、倫理観であったり、仕事に対する責任感の問題が発生しますが、”根本的には本人の責任”というケースの方が多いでしょう。
では、どうすればこの心理状態から逃れられるのでしょうか?
欲望に負けない為の考え方
欲望と戦うにあたって、優先すべき事項は”想定外の安値でも結論を先延ばしにするよりまし”
この言葉に集約されます。
Time is money なのです。
先に延ばして良いことがあるでしょうか?
全体の流れの中で、好転する要因があれば別ですが、年々需要の絶対数は減っていくわけですから、当然時間を優先することが正解です。
他人の事ならそれで理解できるものが、それが自分のことになるとできないので、冷静に第3者の目線で、置かれている状況を把握し理解する必要があります。
何はさておき時間重視で対応することで、90%場合O.Kだと言えます。
あなたのお見合いや結婚のチャンスはこの先どれ位残されているでしょうか?
数年間売れない=お見合いに数年間失敗しているのですから、巡ってきたチャンスは逃してはいけないのです。
要はお見合いをしている本人はそんなに危機感が無く、周囲は焦っているもしくは焦らなくてはいけないことを理解しているはずなので、自分ではなく第3者の冷静な意見を聞く耳を持つことも大切でしょう。
え!?聞く耳があったらとっくに売れてる?
それも一理ありますね。
自分の立ち位置を理解することが大切なのは、何となく理解できたと思うのですが、それを現実に実行するのは難しいと思います。
そういった時に便利なのが、冒頭の記事にあるスマイスター等の査定サイトを利用することです。
一括査定を利用することで、複数の不動産会社の評価価格を知ることができ、自分が思っている価格が正しいのかどうなのかの指標になります。
3社が”5~7万円です”という評価をしたなら、10万円と思っている自分の感覚がずれていることが理解できます。
逆に自分が正しいという結果があるかもしれません。
そこまでやってみて、冷静な判断ができない場合は、ずっと売れない事を理解しましょう。
将来、おそらくそれを相続した方が、すぐに相場の価格で売却してくれるでしょう。
これって案外多く事例があって、実際に相続した方にとっては、不動産が重荷になるケースって多いんです。
その場合、売れる金額で売却をして早く現金化しておきたいと考えるのはごく自然で、当たり前に起こっていることです。
そこまで見通せる賢明な方は、聞く耳を持っているので、残念な結果になる方は少ないですが、自分が正しいと思っている方は恐らくそうなるでしょう。
結果として、時間が経過した分、現金になる部分が減るのですが、相続する側からすれば重荷が取れてさらに現金が入るのですから、問題ないですよね?
自分が冷静だ、正しい、と思っている方は再度考え直してみましょう。
売れなかった時に、その不動産を相続した人がどう思うか?どうしようとするか?という事を考えてみてください。
そうすると案外答えが見えることもありますよ?
という事で、第3者の気持ちになるために
- 想定外の安値でも結論を先延ばしにせず決断する
- 一括査定サイトを利用する
- 相続する人たちのことを考える