不動産取引において固定資産税の日割り精算が行われる契約が一般的です。

その際に固定資産税(公租公課)の日割り精算の起算日が暦年制度に合わせ、1月1日を起算日とし12月31日までを1年とする考え方と、地方税の会計年度に合わせ4月1日との2種類の起算日が地域や取引ごとに決められているのですが、お互いの起算日に対する主張によって、しばしば問題が発生します。

今回はその固定資産税(公租公課)の日割り精算の起算日はどちらが正しいのかを考えてみます。


固定資産税(公租公課)の起算日についての見解

色々な会社や団体のホームページでは、どちらが正解という事ではなく、当事者間での取り決めであると書かれています。

その課税期間(どの期間所有していることに対して課税するのかという問題)については、法は明確な規定を置いていないため、たとえば、課税期間を歴年(1月1日から12月31日)と考えるか、会計年度(4月1日から3月31日)と考えるかによって、売主・買主間の税負担額が異なってくるのです。

その為、地域ごとの慣習で起算日を決めているケースが多いようですが、お互いの慣習が違っているとどうなるのでしょうか?

以下の図をご覧ください。7月1日付で日割り精算を行う場合の図です。


1月1日を起算日とすると184日分、4月1日を起算日とすると274日分、買主が負担するようになります。

金額が当然変わってきますよね?

で大切なのが、

ゲスト

この支払うお金は一体いつからいつまでの分を支払うんだろう?

という事です。

法は明確な規定を置いていない為、「市の担当部署に聞いても答えは出てきません」なる説明をされている地域もあるようでしたが、私の住んでいる市と隣接の市の担当課に確認すると、

「年度に対して賦課している物なので、4月1にから3月31日までです」

という明確な答えが返ってきました。

そして固定資産税の隷書には確かに、期間は”年度”と書いてありました。

とするならば、4月1日を起算日にするのが正しいと言えるでしょう。

図の緑の部分が相当期間なので、4月1日でなければ空白期間が出来てしまいます。

社長社長

あなたの払ったお金は4月1日から3月31日分までです。


と言ってくれれば、それに合わせるのが正しいですよね?

しかし、その起算日は市の運用の問題なので地域によって違うでしょうし、答えてくれない地域もあるでしょう。

そこで、明確な運用の答えが得られない地域については慣例や、お互いの取り決めによって決めるしかありません。

動かない事実として、
  • 固定資産税はその年の1月1日時点での所有者に対して1年分賦課される公租公課=税金

  • 日割りの精算は民間が便宜上取り決めて行う契約行為である事

  • 固定資産税の支払いがどの期間に相当するかは定められていない
  • この3点がある為、市町村で運用上取り決められていない場合は、どちらが正しいとは言えないのです。

    市町村の請求はあくまで1月1日の所有者に対してですから、あとの取り決めは民間の運用という事なのです。

    起算日についての考え方の基本と私の答え

    起算日に対する答えは、その地域の市町村の運用のお答えに合わせるのが良いでしょう。

    もし定めていないならば、お互いの取り決めや慣例で良いと思います。

    そして、考え方の基本としては

    1. 払った税金がどこからどこまでの期間に対してのお金か?


    2. 万が一の時の延滞金の起算はどうなのか?

    の2点で考えれば良いでしょう。

    1については当然の考え方ですよね?

    家賃などを返してもらう際にはいつまで払ったか?という事を基準に精算します。

    そして2についてですが、万が一差し押さえ等がついている場合には、差し押さえの金額を精算しなければ売買できません。

    そして差し押さえについては延滞金が発生するので、その延滞金の起算日を軸に考えれば良いと思います。

    1月で計算の根拠が変わるのか、4月で変わるのか?という事です。

    延滞金の元になる税額が変わるのが、現実的な起算日になるはずなので、個人的にはそれが正解だと思います。

    が、あくまで精算するかしないかは民間の取り決めなので、慣行である行いを慣行である日付けで取り決めるのも間違いではないのです。

    ただ、お金のやり取りをする上では、正確に運用通りの起算日の方が筋が通りやすいような気がします。なので、個人的には・・・の件なのです。