あなたの身の回りに存在する?地面師

皆さんは「地面師」という言葉とその存在をご存知でしょうか?

私が「地面師」という言葉とその存在を知ったのは、あの「ミナミの帝王」の劇場版のVOL.1、横山やすしさんが登場が「地面師」の役を演じていたのを見たからです。

バブルの頃は激しく暗躍していたということですが・・・



平成が終わりを迎えようかというこの時代にも、暗躍しているようですね。

登記法が改正されてから10年以上経過しますが、登記に公信力が無い日本においては、未だに詐欺の余地があるようです。

詐欺については、大方の方の認識が間違っているのですが、詐欺に引っかかる側にも落ち度があるという解釈と前提で民法では解されます。

こういった詐欺に引っかからない様にする為には、皆さんの注意と確認が必要だと言う事なのです。

最低限、落ち度が無いようにしておかなければいけないと言う事なのですが、どうすれば良いのかは一般の方には分からない場合の方が多いでしょう。

そこで絶対ではないですが、確認事項としてのポイントをあげてみます。

不動産を買う場合の不動産取引における確認事項

不動産を買う場合の不動産取引における最低限の確認事項として
  1. 売主が真なる所有者か?
  2. 所有者でない場合は?
  3. 仲介する人間の免許や身分は?
  4. 書類の偽造は?
  5. お金の受け渡し時の注意
等が挙げられます。

それぞれ見ていきましょう。

売主が真なる所有者か?

登記名義人が真の売主でない場合は多々存在します。

例えば相続登記が出来ていない場合の真の売主は、その相続人となります。

つまり登記名義人と売主が同一かどうか?という確認が最初に必要なのです。

ややこしいケースになると、全く関係ない人が所有者である場合も存在したりしますので、現場と登記名義人との確認は絶対です。

不動産屋のプロでも見落とすようなケースも存在しますので、一般の方の場合は基本的には登記名義人の確認のみとなるでしょう。

所有者でない場合は?

登記名義人と売主が異なる場合ですが、この場合はその根拠と証拠書類の提示を求めましょう。

ここでの書類を偽造するのが詐欺師や地面師の手口の一部なのですが、これを見抜くのは至難の業です。

偽造については後で述べるとして、なぜ登記名義人では無い人間が売主なのかという根拠は最低限確認しましょう。

仲介する人間の免許や身分は?

間に立って話を進める人間が、いわゆるブローカーである場合は要注意です。

不動産業の免許を持たず、口先だけでの取引となるので、こういった輩の持ち込む話は無視するのが一番です。

ただ、形式上のみ不動産業の免許を掲げていたり、看板を借りていたりするケースも存在するので、その不動産屋が存在するのか?営業の実態があるのか?という確認は必要でしょう。

実際に先日も私の営業先にブローカーが出入りしていたのを確認したので、こういった輩についての確認を地主さんに促しました。

その時は感謝されましたが、他で引っかかった人たちがいる事もまた事実なので・・・。

少し怪しいと思えば、都道府県に確認を取る事をしましょう。

免許の有無や従業員についてはすぐに確認が取れます。

書類の偽造は?

書類を偽造するのが、詐欺師や地面師の手口の一部だと言いましたが、これを見抜くのは一般の方には不可能と言えるでしょう。

不動産業者にも難しいと言えます。

昨今のデジタル技術の向上や印刷技術の向上で、偽造の精度はかなり高いものになっているので、本物の詐欺師の偽造した書類であればどうしようもないです。

しかしアナログな部分については綻びがあるのも事実なので、署名の筆跡や面前での確認を心がけましょう。

そして本人確認書類については、運転免許証と住民票、保険証など複数を確認するようにすれば、その精度は上がっていきます。

実際に所有権移転登記をする際には司法書士がその確認を行ってくれるのですが、売買契約や手付金を払う段階ではその確認は不動産屋任せになります。

不動産屋が確認するので、大抵は大丈夫ですが・・・。

個人間の取引の際には絶対にその確認は必要でしょう。

ブローカーが関与する際は、形上は個人売買になると思うので、その場合にも確認しましょう。

お金の受け渡し時の注意

手付金や申込金などは、権利者に直接支払うのが間違いないのですが、各々の都合で難しい場合があります。

その場合は正しい領収書を本人から発行してもらうか、もしくは本人名義の口座へ振り込むようにしましょう。

そうすることで、最低限の防御にはなります。

詐欺の手口は進化する

オレオレ詐欺を見ればわかりますが、その手口は進化していきます。

それまでは大丈夫だった・・・という経験が一番危なかったりします。

地面師は昔から存在する、不動産詐欺ですが、それを防ぐための対策がそれなりに取られてきたはずです。

しかし無くならないのは、その手口が進化しているからです。

1000万円を超えるお金を動かす際は、十分に確認作業をすることをしましょう。

特にいい話には落とし穴があるものです。

積水ハウスが63億円騙された!

かなりえぐい事件が起こりました。

あの大手ハウスメーカーの積水ハウスが63億円も地面師によって被害を受けたのです。

積水ハウスから63億円をだまし取った「地面師」の恐るべき手口 実行犯の「偽装証明書」を入手した

こちらの記事を解説しましょう。


通常は4月24日の売買予約がなされていれば、その他の所有権移転に関する登記をすることはできません。

先んじている予約の登記があるからです。

しかしこの場合4月24日から後の、6月24日に真なる所有者Sさんが死亡した為、相続が発生し相続による所有権移転登記が認められています。

つまり法務局が、売買予約については無効(間違った登記行為)で、相続登記が正しい所有者の正しい相続人の相続登記であると判断したという事です。

恐らく7月4日以降に所有権移転登記を試みようとした為にわかったか、売買予約についての真偽性の問題が指摘されたのか、どちらかの理由で一連の売買予約からの売買が無効な物で、地面師による詐欺行為に引っかかったと分かったのでしょう。

63億円の全部が返ってくることは難しいでしょう。

時間が経てば経つほど不可能になってきます。

記事にもある通り、登場する人物のほとんどが善意の第3者の立場になる可能性が高い為、被害の賠償を求める相手が地面師しかいないのです。

身分証や印鑑証明を偽造するくらいの技術力を持った人たちなので、真の所有者Sさんのフリをしていた、実行犯であるAさんが表に出てくることは無いでしょう。

つまりほぼ泣き寝入りの状況しか待っていないのです。

プロも騙される行為なので、一般の方には当たり前に引っかかる可能性のある詐欺になります。

積水ハウスが支払った金額が大きすぎたのが被害額を大きくした部分なので、内入れ金なり手付金を通常の1割程度で抑えておけば、被害が少なかったかも?と言える部分です。

いずれにせよ被害には合うので、被害をいかに抑えることができたか?というポイントしか語る事が出来ません。

おいしい話には落とし穴がある?

あ、この手の話は田舎では起こりにくいので、大阪や福岡などの都市部でない場合は安心していてもいいでしょう。

田舎ではどこの誰であるとか、どういったどこにある会社か、といった本人や関わる人達の素性が分かっているケースが多く、判りやすい環境下にあるからです。

地面師おそるべし!!