皆さんは公図というものをご存知でしょうか?

法務局にDATAとして存在する、14条地図のことを”公図”といいます。

大まかな位置関係や地姿などを現し、不動産を調査するうえで一番最初に確認をするものです。

この公図を理解することができれば、不動産についてはある程度理解できます。
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公図を見てみよう

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こちらの公図は”問題あり”な状態の公図です。

612番1という不動産を売却したい・・・という状況です。

現況は位置指定道路に接道しているので、何ら問題ない物件であると、簡単に考えていたのですが・・・。

この公図を見てびっくりです。

赤い枠の中に、地番が2つと道と水という表示が+で表されています。

いわゆるプラス地番と呼ばれています。

612番1と626番2の所有者は別々の個人です。

これが何を表すかというと、実際の現地には別々の土地が2つあり、道路と水路が存在しているのですが、その境界が定まっていないことを表します。

本来であればそれぞれが筆別れされ表示されるべきなのですが、境界が定まっていないためにこのような状況になっているのです。

この状態の問題点として

  • 境界が未定

  • 担保評価が下がる

  • 分筆や合筆といった登記作業ができない


  • といった事があげられます。

    つまり第3者に売却しづらい土地であるという事なのです。

    そして、こういった状況はあなたにも知らない間に起こり得る出来事なのです。

    うちは測量しているから大丈夫」「国調がされているから大丈夫

    なんて思っていませんか?

    この不動産については平成7年くらいに土地家屋調査士によって測量がされていました。(この段階では筆別れしています)

    その後平成20年くらいに国土調査が行われた結果、この形になっているのです。

    しかも範囲を指定した位置指定道路の指定を受けており、元の土地からは分筆などがなされ分譲がなされているのです。

    この公図でいうと612-9が位置指定道路、612-6,612-7,612-8が分譲地であり、現在既に家が建っている状況です。

    ではなぜ、多大な費用をかけた測量を行い、その後行政による国調が行われることによって、このような境界未確定地ができてしまったのでしょうか?

    測量技術と基準の変化


    こういった現象が起こった原因として、測量技術と基準の変化が考えられます。

    まず平成17年以降と以前で、技術基準が変わっているという事が、大きな原因です。

    それ以前は、残地処理といって、「登記簿の面積から実際には測ったものを引いた残りの面積」という処理の仕方が一般的に行われていました。

    この公図でいうと612という土地の登記簿面積が2000㎡あって、そのうちの1000㎡は誤差の無い測量(612-6~612-9)をしているので、残りは1000㎡(612-1)ですよという形です。

    そもそもの2000㎡が正確でなければ、612-1の1000㎡は正確でない面積なのです。

    まずここに大きな誤差が生まれる可能性があります。

    この誤差が問題になる理由の1点です。

    そして残地処理の問題のもう1点は、対面地の所有者の確認が不要であったことにあります。

    この図でいうと、626-6の所有者ですね。この方との境界の確認が不要であったため、612-1に誤差のしわ寄せを持って行った形となっているのです。

    なので、時間が経過して、国調が行われた際に数センチ(この場合数センチでしたが)の寸法が合わず、612-1と626-2の所有者間で合意がなされず、こういった形で処理されてしまったのです。

    同様に同じ対面地の626-1の方とは、了承がなされていただろうことがこの公図からは読み取れますね。

    あなたにも起こり得る出来事なので、特にこれから国土調査がなされる場合は、”自分は問題ない”と考えず、確認作業は必要です。

    例外として平成18年以降に測量されたものであれば、残地処理されたものは無いと思いますので、気にしなくても大丈夫でしょう。
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    この公図の処理

    結局この612-1の売却にあたっては、再度測量をし直す必要がありました。

    境界が未確定なものを喜んで買う方はほとんどいませんし、金融機関も評価してくれにくいです。

    多大な費用をかけて測量を行うこととなりました。

    その結果がこちら
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    この作業結果についても問題はある(残っている)のですが、612-1についてはこれで問題解決です。

    通常であれば、ついでに626-2の水路・農道についても処理をするのが普通だと思いますが、諸事情で?612-1のみの訂正となっています。

    これで612-1は通常の物件として取り扱いができるようになりました。

    あなたにも起こり得る災難

    こういった出来事は、あなたにも十分起こり得るのです。

    これから国土調査が入るような地域は特に注意が必要でしょう。

    その注意点をおさらいしてまとめますと、

    1. 所有する不動産の測量がこれまでされていない

    2. 所有する不動産の測量が平成17年以前である

    3. 測量がされているが、残地処理がされている

    分譲地だから大丈夫だというわけでは、決してありません。

    全く関係ないと思われる対面地や第3者の意思が関係してくるので、起こり得るのです。

    例外としては平成18年以降に測量がされていること、開発許可を受けた分譲地であること等がありますが、わからない場合はお近くのプロに相談するのが早いでしょう。

    新居浜市においては現在順番に国土調査が行われていますので、そういった問題も徐々に出てくることでしょう。

    対処は早めに行わなければ、今回の例の様に2度も大きな出費が必要になるようなことが起こり得るのです。

    ん、参考になりましたか?