不動産王がついに大統領の座に就いたのは、当然みなさんご存じだろう。

彼はアメリカの不動産王と呼ばれ、マイナスから現在まで上り詰めた男としても知られる。

単なる2代目のボンボンというわけではないのだ。

今回はそんなアメリカの不動産業界の変革、不動産テックについて改めてみてみましょう。

近い未来の日本の不動産業界のあるべき姿が見えると思います。
都会

デジタル変革に対応できなければ淘汰される不動産業界

アメリカの不動産ビジネス市場はデジタルによって大きく変革を遂げている。

不動産業界関係者はデジタルに精通していること=デジタルネイティブであることが求められ、ユーザー環境はPCからモバイルへとシフトしている(これは日本でも同じですね)。


この変化に対応できない者は淘汰される。

実際に、「アメリカでも淘汰は恐るべきスピードで進行している」というのが、アメリカにおける不動産ビジネスの現状だ。

 デジタルデバイスやデジタルコンテンツを当たり前のように日常生活で活用するデジタルネイティブは世界中で急速に増加し、彼らはスマートフォンとGoogleなどの検索エンジンやツールを駆使して膨大なデジタルの波を泳いでいる。

こうした消費者の“デジタルネイティブ化”と“データ社会”の到来に対応できなければ、不動産ビジネスの将来は明るくないのだ。

世界は、私たちが考えているよりももっと大きな力で変わろうとしており、デジタルへの対応を“するか”、“しないか”の二者択一を迫られている。

全米の不動産物件情報を網羅するMLS

この1年でReal Estate Tech(不動産テック)という言葉が急速に注目を集めるようになった日本にとって、一足先に不動産ビジネスにデジタルによる変革の波が訪れたアメリカ市場の実態を知ることは、日本の不動産ビジネスの将来を予見する上で重要なことである。

これから日本でも起きる可能性が高いアメリカ市場におけるさまざまな変革についてみてみる。

アメリカにおける個人不動産取引では、不動産売買担当者、その担当者が所属する不動産仲介会社、その不動産会社や不動産売買担当者が所属する業界団体、そして全国の業界団体が所属する全米リアルター協会という構造で成り立っている。

この不動産仲介ビジネスに関わっているすべての人々が活用しているITシステムが、Zillowが開発したMLS(Multiple Listing Service)と呼ばれるものだ。

MLSは不動産物件に関するあらゆる情報を掲載したデータベースで、米国における物件の99.9%をカバーしているという。

その範囲は売り出し中の物件だけでなく、取引成立済み物件、取引キャンセル物件などにもおよぶ。

情報の中身は物件の詳細情報のみならず、地域住民の特徴や地域犯罪率といったコミュニティに関する情報、地図や航空写真などの地理情報、市場統計、相場データ、取扱事業者リストなど多岐に渡る。

アメリカの不動産担当者は、MLSを活用して物件の相場価格を調べたり市場分析をしたりしている。

これがなければ仕事にならないのが現状だ。

 またアメリカ市場における不動産のビジネスモデルについてであるが、アメリカでは不動産業者同士の協働体制が整っており、売り主負担となる約6%の仲介手数料はMLSを通じて取引を行った売り手、買い手それぞれの不動産業者で均等にシェアする仕組みになっているのだそうだ。

競争社会のアメリカでの共存システムには違和感があるが、日本のように情報を握りつぶす、自社優先主義よりは顧客優先主義の観点で発達した仕組みと言っていいだろう。

不動産仲介ビジネスのデジタル化が急速に進んでいる背景には、アメリカにおける不動産ビジネスの特徴がある。

日本では新築物件の販売が不動産ビジネスの大きな比重を占めているが、2015年の中古物件の販売比率は90.3%(約525万件)。

新築販売はわずか9.7%(51万件)で中古物件販売の比重が非常に高いのだ。

買い主が購入した家を見つけた手段としては、44%をインターネットが占め、不動産仲介エージェントからの紹介(33%)を上回る。
インターネットで物件を探す割合は今後さらに増加し、その傾向は当分続くとみられ、アメリカの一般消費者はインターネットを駆使して中古物件を探し、不動産購入を検討しているという実態が存在する。

一方、不動産を仲介するエージェントは、現在の平均年齢58歳から若年化が進み、今後の大きなカギを握るのは“ミレニアム世代”と呼ばれる1982年から2000年に生まれた若い世代なのだという。

ミレニアム世代は世界で最も人口の多い世代で、米国では8000万人、グローバルでは25億人がこの世代にあたる。

ミレニアム世代はテクノロジーに精通し、やる気にあふれ、グローバルマインドと社会的責任を持っている。

アメリカではベビーブーム世代の労働力が毎日50000人リタイアしており、今後の労働力の中心としてミレニアム世代に注目が集まっているようだ。

こうしたデジタルに精通したミレニアム世代による不動産担当者の若年化、そして消費者行動のデジタルシフトが、不動産ビジネスにおけるデジタル変革の背景にある。

ミレニアム世代の優秀な人材がチームでビジネスを推進し、ミレニアム世代の消費者は取引に透明性を求め、自分でリサーチをして納得して物件を購入する。

こうした変化が、MLSが成功した背景にあるのではないか。
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日本における不動産テックの影響

これからの不動産ビジネスのトレンドは、モバイルとビッグデータだ。

それは日本においても同様で、レインズなんかにとって代わるビッグデータが出来れば、情報を隠す傾向にある不動産会社は、より淘汰されていくだろう。

また既にその波がかなりの勢いで来ているにも関わらず、それを否定し、旧態依然の体制を取ろうとすることも、淘汰される原因となるだろう。

誰もが入手することができるビッグデータがあれば、情報を隠す行為が悪となり、現在までの流通体系が全く機能しなくなるのは明白だ。

まだ先の話だ・・・などと考えている不動産業者は真っ先に消えていくだろう。

いずれにせよ、新しい基準でのシステムが構築されつつあり、その到来はあなたが思うよりもかなり早く到来するものだと考えるべきである。

勘違いしてほしくないのは、スマホやタブレット、そしてビッグデータを使うから、業態が変化するのだが、本質が変わるという事を認識してほしいのだ。

情報を隠したり嘘を言ったりする行為自体が、意味の無い営業手法になる。

不動産テックにより、ありとあらゆる情報が筒抜けになるのだから。

「他にお客さんがいる」なんて言葉も、現在の交渉状況みたいなものが表示されれば、全く意味がない言葉になりますよね?

現在は試行錯誤が繰り返されている段階にある日本の不動産業界ですが、神様に集約されているビジネスルールを理解していくことが大切です。

何のことを言っているのか理解できない年配の方は特に、神様について理解することが必要です。

既存概念を壊すのはハードルが高い行為ですが、方向転換が早いほど生き残る可能性が高まるという事は理解できると思います。

生き残るための正しい理解を深めていきましょう。