今回は2つの不動産協会と、苦情の相談先についてご紹介します。

不動産業者が所属する不動産協会(あえて不動産協会と言います)については、主な団体は2つあります。

全国宅地建物取引業保証協会(ハトマーク)と全日本不動産協会(ウサギマーク)です。

一体何が違うのでしょう?

基本的に行っている事業や、役割はどちらも同じで変わりません。

実は不動産業として開業する為には、一般消費者を守るために、供託金を納める必要があります。

その納める先が3つあります。

  1. 法務局
  2. 全国宅地建物取引業保証協会
  3. 全日本不動産協会

この3件の内いずれかに、供託金を納めなければいけません。

この内法務局については、1,000万円(有価証券含む)を納めなければいけませんので、現実的にはいずれかの不動産協会に供託金を納め、社員(会員)となる必要があります。

公益社団法人 全日本不動産協会

公益社団法人全日本不動産協会は、建設大臣より設立許可を受けた公益法人で、昭和27年6月10日「宅地建物取引業法」が初めて公布されたのを機に、同年10月1日設立された業界最古の歴史を誇る全国に47の都道府県本部を持つ不動産業者の全国組織です。

本協会は、不動産が産業の基盤であり、土地や宅地建物の供給及び流通が国民生活の根幹をなすとの認識のもと、消費者の安全と公正を確保し、その有効利用を促すなど、社会への貢献と業界の健全な発展に寄与するよう活動しています。
さらに、本会は、公益法人制度改革に伴い、内閣総理大臣から、公益認定基準に適合する団体であると認められ、「公益社団法人」として認定を受け、平成25年4月1日からは、「公益社団法人全日本不動産協会」として活動しています。

主な業務内容として

  • 国内外の不動産に関する調査研究及び情報の収集並びにそれらを通じた政策提言、情報の提供及び出版物の刊行
  • 宅地建物取引業に従事し、又は従事しようとする者に対する研修、講習及び指導
  • 国民に対する不動産取引に関する知識の普及、啓発、指導及び助言
  • 不動産に関する会議、講演会等の開催
  • 災害の被災者その他の社会的弱者の支援又は地域社会の健全な発展に資する啓発活動、支援活動その他の社会貢献活動
  • 会員の利便又は相互親睦を図ることを目的とする事業
  • その他本会の目的を達成するために必要な事業
  • 等があります。
    全日本不動産協会 より引用

    公益社団法人 全国宅地建物取引業保証協会

    宅地建物取引業法(以下「宅建業法)」第64条の2では、「宅地建物取引業保証協会」の指定について定められています。公益社団法人全国宅地建物取引業保証協会(以下「全宅保証」)は、これに基づいて設立された保証協会で、全国の宅地建物取引業者(以下「宅建業者」)のうち約8割が加入しています。売買物件の購入者、賃貸物件の賃借人等のお客様と、会員である宅建業者のトラブルに関する苦情の解決、万一、解決されない場合の弁済業務をはじめ、宅建業務に係わる方々の資質向上を図るための研修、消費者のための不動産関連のセミナー等を実施しています。また、適正・適切な安全な取引を行うための手付金保証業務や手付金等保管業務を行っています。その他、国土交通大臣の承認を受けて、宅地建物取引業の健全な発達を図るため種々の必要な業務を行っています。なお、全宅保証の保証業務の基盤となる、弁済業務保証金分担金の合計供託額(弁済業務保証金)は、平成23年3月末現在、約600億円に達しています。

    • 宅建業法第64条の3に基づき、会員である業者が取り扱った宅地建物取引業に関連する取引において、その相手方からの苦情を解決することをはじめ、取引で生じた債権に関する弁済業務、宅地建物取引業に従事する者に対する研修を実施しています。
    • 昭和62年より手付金保証制度を導入して、取引の安全・流通機構の登録促進を図る手付金保証業務を行っています。
      昭和63年11月より宅建業法第41条の2に基づき手付金等保管事業を実施し、消費者の利益保護と流通の円滑化、宅地建物取引業者の信用向上を図っています。
    • このほか、宅地建物取引に係る情報提供を継続的に行い、適正かつ安全な取引に対する啓発に努めています。
    全国宅地建物取引業保証協会より引用

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    2つの不動産協会の役割とは?

    2つの不動産協会の役割は大きく別けて5つあります。
    1. 弁済業務
    2. 最初に供託金について述べましたが、これは一般消費者の被害を避けるためのものです。

      万一不動産取引において、不動産業者の責任における損害が一般消費者に発生した時に、早い者勝ちで最大で1,000万円ですが、供託金の中から弁済するシステムです。

    3. 苦情処理業務
    4. 不動産取引において、一般消費者の苦情の受付、苦情に対する調査・指導などを行います。

      受付については各都道府県の市町村にある2つの不動産協会にそれぞれ窓口があります。

      全国宅地建物取引業保証協会(ハトマーク)の苦情窓口一覧

      全日本不動産協会(ウサギマーク)の苦情処理窓口一覧こちらについては書く都道府県を選択して頂き、不動産協会へ連絡してください。

      弁済業に関する一般保証制度のご案内はこちら

    5. 研修業務
    6. 不動産業者は法定講習というものを受けなければなりません。

      その研修業務を主催する業務を行っています。

    7. 手付金等の保全措置
    8. 手付金が1,000万円を超えたり、宅建業法で定められた保全措置の義務があるケースにおいて、手付金の保全措置を執り行っています。
    9. 消費者向けセミナー
    10. 一般消費者に向けた無料相談会や不動産セミナーを各地で行っています。

    不動産取引において問題や苦情、疑義がある場合

    不動産取引において問題や苦情、疑義がある場合は、相手方の所属する不動産協会がどちらなのかを確認し、相談をしましょう。

    不動産業者が根本的に間違っている場合もありますし、お互いの認識が間違っているケースもありますが、不動産業者に落ち度がある場合は、適切な調査を行い、指導をしてくれます。

    また、どこまでやってくれるか?という問題が出てきますが、金銭的に被害がでていると明らかな場合は、供託金から損害額が弁済されます。

    微妙な部分や、100%納得いかない場合もあるかもしれませんが、不動産取引を一般消費者が安心して行えるようにする為に2つの不動産協会が存在しますので、有効に活用しましょう。


    法務局への供託は一つの目安

    例外として少しイレギュラーなケースですが、不動産業者が不動産協会に加入せず、法務局に供託している場合は法務局へ相談しましょう。

    また業務内容についての相談は、各都道府県の宅地建物指導係へ相談して下さい。

    一つの目安にして欲しいのは、通常いずれかの不動産協会に加盟するわけですが、加盟するのにも条件(推薦人が2人必要等)があります。

    その条件を満たしていない為に、加入できないから法務局へ供託するといった事が考えられます。

    何が言いたいかと言いますと、法務局への供託をしている不動産業者は何らかの危険要素がある可能性が高いと言う事です。

    なんの問題も無い業者や人物であれば、いずれかの不動産協会に加入できるはずですから。

    わざわざ1,000万円を供託する必要性が全く無いのです。

    ちなみに不動産協会への供託金は1社60万円です。大勢で保険システムを作っているので60万円で済んでいる要因があります。

    あなたなら開業しようとしたときに、どちらへ供託金を納めますか?

    当然、不動産協会ですよね?

    この一事をもってしても、法務局へ供託している業者は何らかの危険要素を持っていると推測できるのです。

    新居浜市にも長く不動産協会へ加盟できなかった業者が存在しますが、数年前になぜか加盟してしまいました。

    誰かが推薦人になったのということなのですが・・・。

    私の周りでは「誰かがお金をもらって推薦人になったのでは?」と実しやかに噂されたものです。

    一つの目安として、
  • 法務局への供託かどうか?
  • 不動産業の免許は長い期間あるのに、不動産協会への加盟期間が短い
  • といった点は悪質な不動産業者から、あなたが身を守るための1つの判断材料と言えるでしょう。