不動産の価値を推し量る際に参考とされる価格があります。

路線価・固定資産税評価額・実勢価格・公示価格の4つの価格です。

1つのものに対して4つの評価があるので、1物4価といいます。

不動産の1物4価の意味を理解しよう

不動産はまさに1物4価なのです。

それぞれ簡単に説明します。
  1. 路線価
  2. 相続税評価額。つまり相続税を算出する為に使われる評価額の事です。

    国税庁が全国40万地点の道路を標準地に選び、公示価格や売買実例価格、不動産鑑定士等による鑑定評価額を参考にして道路の値段を決定します。

    基本的には、この値段に土地面積を掛けて土地の相続税評価額とします。(土地の形や面積などで補正がされます)

    路線価は毎年1月1日を評価時点として、8月に発表されます。

    路線価は毎年変わりますが、公示価格の8割程度が基準となっています。
  3. 固定資産税評価額
  4. 固定資産税評価額とは、市町村が定める、固定資産税などの税金を計算する基準となる価格のことです。
    市町村では、土地や家屋について「固定資産課税台帳」に課税価格などを登録しています。

    この価格のことを、固定資産税評価額といいます。

    固定資産税評価額は、固定資産税のほか、都市計画税や不動産取得税、登録免許税などの基準になります。

    固定資産税評価額は市町村が決定し、3年ごとに評価替えが行われ、評価替えの年を「基準年度」といいます。

    著しい地価の下落などがあった特別な場合を除いて、固定資産税評価額は基準年度の価格が次の評価替えまで引き継がれます。
  5. 実勢価格
  6. 実勢価格とは、実際の取引が成立する価格のことです。

    不動産の時価のことで、売り手と買い手の間で需要と供給が釣り合う価格をいいます。

    取引が行われた場合には、その取引金額が実勢価格になり、取引がない場合には、周辺の取引事例や公的データ(公示価格、固定資産税評価額、路線価など)から推定します。

    不動産広告に掲載されている販売価格は、実際に取引が成立するまでは売主の希望価格で、必ずしも実勢価格とは一致しません。
  7. 公示価格
  8. 公示地価とは、国土交通省が公示する「標準地」の価格のことです。

    全国からそのエリアの地価水準を代表する「標準地」として選定された3万数千地点について、毎年1月1日時点の地価を不動産鑑定士等が評価し、土地鑑定委員会が判定して毎年3月下旬に公示します。

    公示地価は、住宅地、商業地、工業地など用途ごとに、標準地の1平方メートル当たり単価が表示されています。

    公示地価は一般の土地取引の指標となり、公共用地取得価格の算定基準ともなります。

    また、同じ土地で毎年地価が公示されるので、地価の上昇や下落の状況もわかります。

アドバイザー

4つの価格はそれぞれの価格の参考値でしかない

路線価・固定資産税評価額・実勢価格・公示価格の4つの価格は、それぞれの価格に対する参考値でしかない事を理解しましょう。

不動産の仕事をしていて、「路線価位で売って欲しい、評価額よりは上で売って欲しい」といったご要望を承る事があります。

我々不動産業者が扱う価格は実勢価格なので、それ以上でもそれ以下でもありません。

もちろん他の3つの価格は参考にしますが、その価格が絶対ではありません。

あくまで需要と供給の問題なのです。

路線価・固定資産税評価額、公示価格と実勢価格の差は、算出している所がまず違います。

お役所が税金を算出・取得する為の価格が路線価・固定資産税評価額であり、実勢価格とは全く異なる場合がよくあります。

なぜかというと、路線価・固定資産税評価額は、建築基準法や都市計画法等の不動産売買で重要な法律は加味されないからです。
スポンサードリンク

例えば、建築不可の土地であっても面積で近隣と同じ評価をされます。

しかし建築不可の場合、不動産売買の実勢価格になると、査定不能になります。

つまり実勢価格は路線価や固定資産税評価額よりも、算出基準が多くなるのです。

もちろん需要と供給についても加味されます。

その結果限りなく0に近づいたり、評価額や路線価よりもはるかに高くなったりするのです。

公示価格が一番実勢価格に近いと言えます。

これは実際の売買価格を調査したり、不動産鑑定士が土地の価格を算出して整合性を取るのからです。

しかし、やはり実勢価格とは相違が生まれます。

調査からの時間の経過がかなりあるからです。通常は1~2年の時間差が発生しています。

地価が値下がりしている地域では、その下落率と需要と供給の変化も考慮に入れる必要があります。


そして実勢価格はあくまで需要と供給のバランスが最重要であり、その不動産の現況から、路線価・固定資産税評価・公示価格、そして直近の売買事例等を参考にして、更地の価格を算出していくので、基本的には不動産所有者が考えている価格よりは低くなることの方が多いのです。

4つの価格はそれぞれの指し示す基準が違うので、それぞれの参考価格にはなるが、独立した価格である事を理解しましょう。

完璧に理解が出来たら、路線価や固定資産税評価額が参考程度にしかならない事も理解できたはずです。

路線価や固定資産税評価額で売却してほしい」というのが、ピントがずれた話である事も理解できたと思います。

そこに他の法律や需要と供給、地価の下落率等の要素を勘案した、実勢価格を知る事が不動産売買を成功させる方法です。