皆さんは事件や事故があった物件を購入したいと思いますか?

価格が安ければ気にしない方もおられるでしょう。

しかし大半の方は安くても購入されないのではないでしょうか?

昨日カルチャーショックを受けた物件を発見したので、事故物件や自殺物件などについて考えてみたいと思います。

私が見た事故物件と概要


昨日2年ぶりくらいに、とある道筋を通りました。

3年程前に私が携わった案件があり、その隣接地で自殺がありました。

なかなか衝撃的な方法でした。

詳細については伏せますが、当時の細かい状況ははっきりと覚えていますし、私の周囲の人たちは当然知っています。

当事少し時間が空いて、その事故があった物件を買わないか?という話がありましたが、私は購入せずに他の不動産業者さんが購入されました。

あれから数年・・・な、何と!家が建っているじゃありませんか!!!

しかも1件は売れているのか住んでいる気配がある!!

大きな敷地だったので、分割して売却すれば良いと考えたのかもしれませんが、私には無い感覚だったのでカルチャーショックを受けました。

だって、2件ある建物の丁度、中間位の位置で事故は起こっていたのですから。

場所をずらしたつもりかもしれませんが、そこは・・・です。

で、やって無い所になぜか借家が建設されてて・・・


説明を受けていて購入されていれば良いですが、売却している価格を見ると普通の値段なので怪しさ満点です。

大きな会社さんでも失敗はあるので、確認を取られてはいかがでしょうか?

承知の上で購入されていれば問題ないですが・・・
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心理的瑕疵物件を検討する上での注意事項

事件や事故があった物件を心理的瑕疵のある物件と言います。

瑕疵とは”見えない部分”と置き換えれます。
つまり”見えない部分に心理的な何かがある物件”=事件・事故が起こった物件 と解釈できます。

心理的瑕疵物件を買うに当たっての注意事項と不動産業者の責任について考えてみます。
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宅建業法における説明義務

当然、こういった事件や事故については不動産業者には説明義務があり、説明をしていなければ(重要事項説明に記載)完全にOUTです。

最悪不動産業者が引き取らないといけないケースまで存在します。

これはもともと同一敷地内で、分筆等をした場合でも必要です。

少し位置をずらした・・・といった感じで隣の土地にしてしまう方法ですが、2~3年前に同一敷地内で起こった事なので、当然説明義務は発生するとの事でした(宅建協会に確認してみました)。

この理由があったので私は購入しなかったのですが・・・

金融機関の担保評価が下がる

金融機関に確認した所、事件や事故があったと明らかな場合は、その物件の評価が通常の50~60%といった感じで評価がされる可能性があるとの事でした。

当然ですよね? 買い手が付きにくい物件=評価が低い物件という考え方なのですから。

この場合のデメリットはローンが満額は通りにくいと言う事となり、自己資金をその分用意しないといけなくなると言う事です。

また、購入者や金融機関が知らずに購入している場合、普通に評価してしまっていているので、売却する際に売却損が当然発生してしまいます。

説明を受けていなければ、この売却損についても不動産業者への賠償請求の対象となり得ます。

知ったうえで購入される分には問題ないのですが、後から分かった時には問題と手間がかかるという部分はありますが、基本的に不動産業者に責任を追及できます

今回の事例は不動産業者の建売物件なので、不動産業者が全面的に責任を取る必要があります

仲介物件の場合は、売主が告知義務を怠っていたり、不動産屋の調査不足だったり、と責任の所在があいまいな場合もあり、泥沼化しやすいと考えられます。

なので、仲介物件の場合には事件や事故についての存在については必ず尋ねるようにしましょう。

まとめ


怪しい説明があった場合、隣で事件があった場合、こういった場合は同一敷地で事件や事故が起こっていた可能性がありますので、ご自身でも近所で聞いてみるとかの調査をした方が良いと思います。

最近は警察も教えてくれないですし、近所でも教えてくれにくいですが…

最悪の事を考慮して、心理的瑕疵物件を購入してしまったときには誰が責任を取るのか、明確にしておくべきでしょう。

何が起こるかわからない時代です。

何にせよ不動産を購入される場合は心理的瑕疵については十分に調査しましょう。

心理的瑕疵物件についての判例

事件や事故が起こっている物件について、心理的瑕疵物件と言います。

では、こういった事件や事故が起こったとされる心理敵瑕疵物件についての不動産業者の説明義務は、どこまで問われるものなのでしょうか?

幸い愛媛県内での判例がありましたので、参考の為ご紹介します。

松山地裁・判決 平成25年11月7日
高松高裁・判決 平成26年6月19日
判例時報2236号101頁

宅地建物取引業者が土地の買主に対し20数年前に土地上に存在していた建物での自殺があったことを説明しなかったことが不法行為に当たるとされた事例です。

紛争の内容

  1. X1とX2は夫婦であり2人の子供と生活していた。

    Xらは平成20年12月1日、本件土地の所有者であったAとの間でAを売主、Xらを買主とした売買契約を締結し、平成21年1月30日には代金決済が完了するとともに、Xらの共有登記とする所有権移転登記が行われた。

    売買契約は宅地建物取引業者Y株式会社の仲介で行われ、売買契約締結や代金決済はYの担当者立会いの下行われた。

    なおXらは本件土地に一戸建てのマイホームを建築する目的で購入している。
  2. Dは本件土地のかつての所有者であり、本件土地上に建物を所有し、娘や内妻と居住していた。

    昭和61年1月、Dの内妻が実の息子に殺害されて遺棄される事件(本件土地以外の場所で)が起こり、昭和63年3月にはDの娘が前記建物の2階で自殺するという事があった。

    前記建物は平成元年に取り壊されていて、本件土地も売却され、その後本件土地には建物が建築されないまま、転々譲渡されてた。
  3. 売主AはB(会社)から本件土地を購入しているが、Bは平成13年から平成14年にかけて、当時の所有者であったCから本件土地を購入し、これをAに転売している。

    この一連の売買はYが代表者を同一とする関連会社Bを使用して行ったものである。
  4. 前記殺人事件は新聞報道等もされ、社会的耳目も引いたものである。

    また本件売買決済前、Yの従業員が本件土地の近くで不動産業を営む者から、本件土地が「訳アリ」であることを聞き、自殺等に関係する物件であることを確認した事実が認められる。
  5. XらはYに後記の説明義務違反があるとして損害賠償の請求をなした。


少し難しい表現になっていますが、要は不動産業者は所有権移転前には、自殺があったことを認識していたのです。

ただ、それが起こった建物は撤去されており、新しく新築すること、所有者が数回変わっていることなどを理由に、買主に伝えなかったのです。

この事例の問題点

当事者の言い分は省略しますが、この事例の問題点として、
  1. 本件土地を取得するか否かの判断に重要な影響を与える事柄であるかどうか?
  2. 20年以上前の出来事であっても同様であるか?
  3. 媒介業者はこのような事実を知っていたとして説明義務があるか?
  4. 知らなかったとして調査義務を負うか?

といった点が争点となりました。

この事例の結果

第1審判決 松山地裁・判決 平成25年11月7日
  1. Xらによる本件土地の取得目的が、一戸建てマイホームを建築し、家族の永続的な生活の場とすることにあったとの事情に照らせば、本件土地を取得するか否かの判断に重要な影響を与える事柄であった。
  2. 宅地建物取引業者は、売買の仲介にあたり、当事者の判断に重要な影響を与える事実については説明義務を負う

    また、説明義務を果たす前提として、いっていのはんいないでの調査義務を負うが、対象物件上で自殺があったというのは極めてまれな事態でもあり、事故物件であることを存在を疑うべき事情があれば、独自に調査してその調査結果を説明すべき義務を負うものの、そうでない場合には独自に調査すべきぎむまでは負うものではない
  3. Yが売買契約締結当時、本件土地上で自殺があったことを知っていたとは認められない。

    また、Yにおいて事故物件性を疑うべき事情があったとは認めがたいが、Yの担当者が遅くとも、代金決済の数日前には20年以上前に本件土地上の建物内で自殺事故があったらしいとの認識に至ったと認められる。
  4. これらの事実は売買契約の効力を解除等によって争うか否かの判断に重要な影響を与える事実であり、Yは決済前に説明すべき義務があった。

    Yは説明義務違反と相当因果関係にある慰謝料等合計170万円について、Xらに対して賠償義務を負う、と判断した。


XらおよびY双方とも控訴したが、控訴審は双方の控訴を棄却して第1審判決を維持し、その中で、

マイホーム建築目的で土地の取得を希望する者が、本件建物内での自殺が近隣住民の記憶に残っている状況下で、他の物件があるにもかかわらず、あえて本件土地を選択して取得を希望することは考えにくい以上、過去の自殺があったとの事実を認識していた場合には、これを説明する義務を負うものというべきである。

と判事した。

この事例から言える事

取引の対象となる建物内での自殺は、「心理的瑕疵」にあたり、瑕疵とされている。

一般的には自殺から長期間経過したり、建物が存在しない場合には瑕疵が否定されるのだが、この事例は特異なケースと言えます。

媒介業者が事故を知った事で、説明義務が発生したともいえるが、調査義務を負う義務がある場合が存在するといえる事例です。

また、宅建業法第47条で規定する、買主の判断に重要な影響を与えるとされる事案(買主が重要だと思う事項)については、心理的瑕疵だけではなく、調査・報告義務が発生すべき点は知っておくべきですね。

先般、取引士の法定講習時に、昔私が携わった物件の裁判について触れられましたが、正に”重要な事項”に該当し、説明義務違反であるとされる案件でした。

我々不動産業者は、表に出てこない事柄についても、時として責任を負わなければならない職業なのだという事を改めて認識しました。

逆に言うと、”買主側の利益が守らる”という事なので、買われる側は、気になる点についてドンドン聞いておくべきでしょう。

あなたは自殺物件や事故物件を買いますか?

先日自殺物件や事故物件は買わない方がいいですか?という質問がありました。

私個人の意見では”買わない方がいい”という答えなのですが、この答えに正解はありません。

個人の価値観の問題だからです。

しかしせっかくのご質問なので、私の意見をまとめてみます。
洗脳
  1. 気持ち悪い・・・霊が居るかも・・・

  2. 誰も買いたがらない=担保価値が低い

この2つの理由が大きいでしょう。

1については気にしない方は気にしないので、完全に個人の価値観です。

2については、銀行が事件や事故について把握していれば、通常は担保評価がキツくなります。

つまり、かなり安くないと住宅ローンで満額回答が得にくい、というデメリットがあります。

現金を多めに出せれば問題は無いですが、市場価格の半値程度が正解ではないでしょうか。(あくまで私の意見です)

そして、上記の2つ以外に私が経験上嫌がる要素があります。

それは輪廻とも言える、負の連鎖の可能性が高い事実があるからです。

具体的に統計を取ったわけではありませんが、2度ある事は3度あるパターンの物件を何度も見てきているからです。

負の連鎖が起こる物件

負の連鎖が起こる物件についての私の経験をお伝えします。

とある競売物件を私の知人が転売目的で落札しました。

当然転売をしたのですが、数年後、同じ物件がまた競売になりました。

また同じ知人が落札して転売をしました。

数年後さらに同じ物件が競売になりました。

今度は違う不動産業者が落札し、転売しました。

そして現在に至っているのですが、最初の競売からわずか15年で、3度の競売を経験した物件です。

たまたま運が悪かったとも言えるかもしれませんが、それぞれの購入者はそれなりに所得もあり、安定企業に勤めていたような方達でしたので、確率的にはかなり低いはずです。

また、その都度500万円以上の利益が転売者に渡っており、運を吸い取った・・・ではなく、高買いしたからという理由もあるかもしれません。

その物件では自殺があり、お塚さんがあったりと、マイナスな要素は確かに存在していました。

そして、私の知る限り、競売になった物件はなぜか再度競売になるパターンが存在するのです。
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離婚率や破産率が高い営業マンや不動産業者

離婚率や破産率が高い営業マンや不動産業者も実際に存在します。

新築して1年以内とか2年以内に離婚や自己破産で売却・・・なんてケースも見てきましたが、特定の会社や営業マンに当たる、担当しているケースが多いです。

新居浜市で例にあげると○ー○ア○○カ○ホームで建てられた家は、かなりの高確率で支払い不能や離婚になっています。

私が相談を受ける任意売却の案件でも、○ー○ア○○カ○ホームで家を建てた方の案件が5件ほど続いたことがあります。

離婚についても確率の高い営業マンが居たりしますし、類は友を呼ぶパターンは確かに存在します。

細かく分析すると、その会社が無茶なローンを組ませるケースが多かったり、支払いのせいで離婚したりと、理由はあるのですが、そういう営業マンや会社にあたるかどうかは、お客さんにはわかりません。

しかし、事件や事故のあった物件については判断ができます。

その場所で確かに起こっているんですから。

「類は友を呼ぶ」とは昔の方は良く言ったもので、”自分は違う”という人に限ってそうだったりします。

あくまで私個人の経験上のことなので、あなたには当てはまらないかもしれません。

ただ私が、確率が高いなと感じるだけです。

結局あなたの価値観次第

あなたが事故や事件のあった物件を検討されていて、周辺状況を全く気にされないのであれば、後は価格でのみ勝負をすれば良いと思います。

結局は、あなたの価値観次第なのです。

ただ迷った段階で気にしていると言う事なので、価格の事以外で迷うくらいなら辞めておいた方が無難でしょう

後から誰かが病気をしたり、不幸に巻き込まれるたびにそのせいになってしまいますから。

すべての起こる出来事について、自分のせいであり、困難を突破できる精神力をお持ちの方であれば、事故や事件の起こった物件でも問題なく生活を送れるでしょう。

私は心が弱いので、買いませんけどね^^